結縁灌頂開催される

去る十一月十七日、小机・三会寺で結縁灌頂(けちえんかんじょう)が開催されました。

 当山からは十八名の檀信徒の皆さまが参加され、真言宗のご本尊・大日如来とご縁を結んでいただきました。灌頂とは、真言宗最高の儀式で弘法大師が唐の都・長安で師匠の惠果和尚より授けて頂いたものです。それをお大師さまが日本に伝えて以来、千二百年もの間、高野山で行われてきたものです。

 結縁灌頂は檀信徒の皆さまもお受けできる灌頂で、僧侶になるには、修行の後に更に伝法灌頂を受けることが必要です。(住職は三十六年前、伝法灌頂を高野山で受法)

 受者の皆さまは、遍路装束に着替え、輪袈裟を付けて、塗香を頂いて受戒堂に入ります。そして日々の暮らしの中で犯している罪・過ちを懺悔した後、守るべき十の戒めを授かりました。続いて仏と自分が一体であることを表す、三昧耶戒(さんまやかい)の印と御真言を授かりました。

 続いて灌頂檀に入壇して、印を結び樒を曼荼羅に投げて仏さまとご縁を結んでいただきました。そして、正覚檀で阿闍梨(密教の師匠)より、仏さまの心をご自身の心とされた皆さまにお諭しがあり、菩薩戒牒(受戒と灌頂を受けた証明書)をいただきました。

 俗説では、結縁灌頂を受けた方は、三十五日の閻魔さまの審判の際に、菩薩戒牒を提出することで、極楽に行くことができる等といわれています。今回は二十二年ぶりの横浜での開催となり、各寺合計で約二千名の方々がお受けになりました。

生麦山 龍泉寺

「身は華とともに落ちぬれども、心は香りとともに飛ぶ。」 弘法大師のことばです。仏さまのもとからこの世に生まれ、また仏さまのもとへと、いつか旅立って行く私たち。身体はなくなってしまっても、幸せを願う想いは、いつまでも心から心へと受け継ぐことができるのです…。生麦山龍泉寺は横浜・鶴見の高野山真言宗のお寺です。