「三つの力」
新たな年を迎え、仏さまに様々な願いごとを叶えて頂くようお願いされると思います。真言宗の教えでは願いが叶うには「三つの力」が大切といわれています。
1.以我功徳力(いがくどくりき)
願いを叶えるには、まずは自分が日頃から良い功徳を積むことが大切です。一生懸命勉強したり、健康のため普段から体に気をつけたりしましょう。願いごとを叶えてもらいたい時だけ仏さまにお願いしては、いくら慈悲深い仏さまも困ってしまうかもしれません。
2.如来加持力(にょらいかじりき)
ありがたいことに、仏さまはいつも私たちを見守ってくださっておられます。私たちが悩みながらも日々の暮らしの中で少しずつ徳を積んでいく有様を見て、「よし、願いを叶えてあげよう」と腰を上げて、力を貸して下さいます。これを仏さまの「加持」といいます。
3.及以法界力(ぎゅういほうかいりき)
さらに自分の小さな願いが叶い、やがて世の中全ての人々が幸せになれるようにという大きな願いを持つことができると、いつのまにか志を同じくする人々が集まってきます。そして私たちを取り巻く世間や森羅万象からも大きな力を頂くことができます。願いが叶うには、目に見えない多くの世間の人たちの力も関わってくるのです。(法界力)
4.普供養而住(ふくようにじゅう)
そして、自分を支えてくださる仏さまや世間の人々へ感謝の心を普(あまねく)めぐらせることで願いは実り、世の中へ幸せが広がっていきます。今の自分がいるのは今は仏さまになられているご先祖さまのおかげ。ご先祖はその時代を一生懸命生きぬかれて、私たちの幸せために平和な国と社会を残してくださいました。では私たちは未来を担う子供たちに何を残してあげられるのでしょうか…。
(令和7年1月1日 元旦護摩祈願会の法話)
穏やかで素晴らしい年になりますように
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