「曼荼羅(まんだら)の心」
学生の時、男声合唱団に勧誘され、訳も分からずただ毎日練習に明け暮れておりました。全国津々浦々から上京してきた、個性豊かな面々が、最初はランニングと発声練習から…。轟々とした騒音が狭いホールに響き亘ります。
「おまえたち、周りの音が聞こえるか?大切なのは、自分の声を張り上げることではなくて、まず心を合わせて自分の声を周りに合わせることだ。だから合唱っていうんだ。」指揮者の先輩の一言。
なるほど。でもそれが出来ないから苦労しているんだが…。
日が経つにつれて、少しずつ周りの声が聞こえるようになりました。そこで気がついたのは、顔かたちが違うように、声も千差万別ということです。また、日によってハーモニーは生き物のように変化します。
一人一人が違っているからこそ、心と声が響き合ったとき、素晴らしい音楽が現れ、人に感動を与えることが出来るのでしょう。
この地球には多くの人々が、それぞれの文化、信条を大切にして暮らしています。お互いの違いを尊重し、声に耳を傾けることが今こそ求められています。(良光)
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