ご先祖とはどういう人たち?
1.ご先祖さまの数
わたしたちにはお父さん・お母さんがいて、そのお父さん・お母さんにもお父さん・お母さん(お爺さん・お婆さん)がいます。そしてそのお爺さん、お婆さんにも、それぞれお父さん・お母さん(ひいお爺さん・ひいお婆さん)がいます。 詳しく数えてみると、2人(お父さん・お母さん)、4人(お爺さん・お婆さん)、8人(ひいお爺さん・ひいお婆さん)、16人、32人、64人、129人、256人、512人と倍に増えていき、10代遡ると1024人!学校の体育館が一杯になる位のご先祖がいるのです。さらにそこから遡ると何千、何万のご先祖がいて、そのうちのたった1人がいなかったら、私たちは今ここにいないことになります。不思議なご縁ですね。
ご先祖は、その生まれた時代を精一杯生き抜かれた方たちです。戦争があったり、大きな地震があったり、疫病が流行したり、生涯の中でさまざまな困難な出来事に出会われたかもしれません。しかしそうした中で自分を頼りに、周りの方々と心を通わせて、私たちが幸せに暮らせるように世の中の土台を作って下さいました。ご先祖さまがありがたいというのは、こういうことなのです。
ご先祖にもし兄弟がおられると、そこから枝分かれしていきます。2人から4人、4人から8人、8人から16人と、先ほどご先祖をたどったのと逆に子孫がふえてゆくことになります。そして気づくと、実は周りにいる人々も何十代が遡れば同じご先祖につながっているかもしれません。「人類皆兄弟」ということばがありますが、そういうことです。
私たちは皆、網の目のようないのちのつながりの中で生きて生かされています。網は端っこを引っ張ると、その振動が端まで伝わります。同じように、世界のどこかで災害や戦争で苦しんでいる人がいるとしたら、その苦しみは私たち1人1人の苦しみでもあります。反対に私たち1人1人が、世界中の困難の中にある人々に思いを寄せて、一日も早く幸せが訪れるように祈る時、その思いは大きな力となって、必ずやそうした人々に届くことでしょう。1日も早く、世界におだやかな幸せが訪れることを祈ります
(令和6年3月20日 春彼岸中日法会の住職法話)
気がつくと境内にハクセキレイ(スズメ科の野鳥)がいることがあります。近づいてもなかなか逃げません。とことこ走って愛嬌ある姿を見せてくれます。
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