一年の計は元旦にあり

1.どういう意味?

 「一年の計は元旦にあり」とは「一年のことは年の初めの元日に計画を立てるべきである。 物事は初めが大切だから しっかりと計画を立てて着実に行いましょう。」ということです。

 「一年の計は元旦にあり」の元となったのは、中国の明代に憑慶京(ひょうおうきょう)という学者の書物。『月令広義(げつりょうこうぎ)』です。

 「月令広義」は中国の伝統的な年中行事やしきたりが解説されているもので、そのなかに「一日(いちじつ)の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり」という一文が記載されています。「晨」は「あした」と読み朝のことを指すもので、「朝」と書くこともあります。「春」は正月を意味していて、全体では、一日の初めである朝や一年の初めである正月にこそ計画を立てるべきである、という戒(いましめ)です。なお、一日は「いちにち」や「ついたち」ではなく、「いちじつ」と読むのが正解です。

 「一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり」のあとには、「一生の計は勤(つとめ)にあり、一家の計は身にあり」という言葉が続きます。全体では初頭に計画を立てることで日々の充実度が決まり、勤勉に働くことで一生が決まり、健康維持によって一家の行く末が決まるという意味合いになります。このなかの「一日(い ち じ つ)の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」を合わせて「四計」といい、よき人生の設計に欠かせない大切な計画とされているものです。

2.思い立ったが吉日。後悔先に立たず。

 この由来を知ると、年の始めに目標を立てて実行していくことが、その年を素晴らしいものにするために大切なことがよく分かります。

 今日は元旦。「思い立ったが吉日」という言葉もあります。自分に合った目標を立てて少しづつ実行していきましょう。新しい一年に何を願うのか。どんな一年にしたいのか。良く考えてみたいですね。

 「後悔先に立たず」 …物事を後で悔やんでも仕方がありません。事前に良く考えて、そして思い切ってやってみましょう。

                      (令和6年1月1日 元旦護摩祈願会の法話)

右の龍はいただきものです!

生麦山 龍泉寺

「身は華とともに落ちぬれども、心は香りとともに飛ぶ。」 弘法大師のことばです。仏さまのもとからこの世に生まれ、また仏さまのもとへと、いつか旅立って行く私たち。身体はなくなってしまっても、幸せを願う想いは、いつまでも心から心へと受け継ぐことができるのです…。生麦山龍泉寺は横浜・鶴見の高野山真言宗のお寺です。