自然からのメッセージ


 テレビのニュースでは、めまぐるしく変化する世界経済の話や、スーパーコンピューター開発の話題の後、「明日は午後から雨が降ります。傘をお持ちください。」と天気予報が続きます。これだけ科学技術が進展して、気候は予測はできても、人間の自由に変えることはできないということですね。

 魚も捕りすぎればいなくなってしまう。農業も連作をすれば土地が痩せて食物ができなくなります。そうすると結果として生活に困ってしまう。そのため人間は大変永い間、いつも自然との対話の中で、必要な物を必要なだけ自然の恵みとして頂く生活をしてきました。

そして、季節の節目毎に様々な祭礼を行い、自然に感謝してきたのです。

 晴耕雨読という言葉があります。「晴れたら田を耕し、雨が降れば部屋で読書をする。」これも、自然の流れの中で悠々自適に暮らす、人間らしい本来の生き方を示した言葉ではないでしょうか。

 コロナ禍は「天災」ですが、良く考えると人間が限りなく欲望を増進した結果起きた「人災」である気もします。

「このまま人類が欲望のままに勝手に突き進むと、地球が壊れてしまう。一時停止して良く頭を冷やして考えなさい。」

 今回のコロナ禍は、実はこうした「自然」からのメッセージなのではないでしょうか。

皐月がさきました。蓮も立葉がではじめています。梅雨が近づいています。

生麦山 龍泉寺

「身は華とともに落ちぬれども、心は香りとともに飛ぶ。」 弘法大師のことばです。仏さまのもとからこの世に生まれ、また仏さまのもとへと、いつか旅立って行く私たち。身体はなくなってしまっても、幸せを願う想いは、いつまでも心から心へと受け継ぐことができるのです…。生麦山龍泉寺は横浜・鶴見の高野山真言宗のお寺です。