星の光
小学生の頃、夏になると父(先代住職)が近所のこどもを境内に集めて、夜に花火大会を開いてくれました。
お寺は夏も大変忙しく、旅行等に家族全員揃って出かけた記憶がほとんどありません。不憫に思った親が配慮してくれたのでしょう。
楽しい花火大会が終わると、母が、井戸で冷やしたお盆一杯にならべたスイカをふるまい、皆で喜んで食べたことを思い出します。
最後に父が、「皆、見上げてごらん お星様がきれいだろう。でもあの星はもう今はないかもしれないんだよ。」と話し始めました。「星の光が地球に届くまで、一万年も二万年もかかるから、今見ている星の姿は、何万年も前の星の姿なんだよ。でも光はまっすぐに地球まで届いて、美しい姿を見せて、いつも私たちを照らしてくれているんだよ…。」
懐かしい亡き人たちも、この世を去った後、温かな思いと共に私たちを見守って支えて下さっているのでしょう。漆黒の夜空に美しく瞬く星の光のように…。 先代遷化から、五月二十八日で丸六年になります。 (良光)
0コメント